法律まめ知識

神奈川県の大船という街にある大船法律事務所の弁護士高岡輝征が紹介する「法律まめ知識」。 ひまわりは弁護士の象徴で弁護士バッチのモチーフもひまわりです。

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刑訴法332条

刑訴法332条は,刑事事件の簡易裁判所から地方裁判所への移送を定めています。

要件は,「地方裁判所において審判するのを相当と認めるとき」です。
事案が複雑な場合,法解釈が複雑な場合などが挙げられます。

先日,簡易裁判所に起訴された傷害事件について,捜査段階では自白していたものの,起訴後,私がよくよく聞いてみると,「自分は実はやってない」とのことだったので,公判で否認に転じた国選弁護事件があり,今後,証人尋問等の必要があることから,刑訴法332条の移送になったものがありました。

簡易裁判所の裁判官が,冒頭手続の終了後,いとも簡単に「本件は刑訴法332条により地方裁判所に移送します」と言って,法廷が終了になってしまったのがとても印象的でした。

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検事のキャリアアップ

検事には,正検事と副検事がいます。
例外もありますが,原則として,正検事は,司法試験に合格して司法修習を終えた人がなり,副検事は,検察事務官が内部試験に合格するとなれます。

正検事は,地方裁判所,高等裁判所,最高裁判所の刑事事件を主に取り扱います。
副検事は,簡易裁判所の事件を主に取り扱います。

正検事は,全国転勤があります。
副検事は,転勤はあるものの全国ではありません。関東内,東北内といった感じです。

以下は,正検事のことについて書きます。

検事1年目の検事のことを新任検事と呼びます。
新任検事は,最初数か月間は東京地検に配属され,研修を受けます。その後,横浜,埼玉,大阪,名古屋,福岡などの大規模庁(これをA庁と呼びます)に転勤になります。
最初は,窃盗や覚せい剤事犯などの自白事件という比較的複雑でない事件を担当し,それが難なくできるようになると,窃盗や覚せい剤事犯などの否認事件というやや難しい事件を担当し,それが難なくできるようになると,恐喝や強姦などの複雑な事件の自白事件,次に否認事件というように,だんだんと難しい事件を担当して,成長していきます。

検事2~3年目は,新任明け検事と呼ばれます。
新任明け検事は,A庁ではない,小規模庁,例えば,甲府,長野,山形,福島,岡山,高知等地方の県庁所在地にある地方検察庁に配属されます。
刑法犯については,新任検事でだいたい経験しているので,次は,汚職(贈収賄,談合)や脱税事件などを担当して,一通りの事件ができるようになります。
小規模庁では,刑事部(捜査から起訴まで)と公判部が分かれていないところが多く,身柄事件(勾留中の被疑者)が5~6件,在宅事件が10~20件,公判中の被告人の事件が10件くらいを一人で受け持つ(手持ち事件と言ったりします)ことになります。

検事4~5年目は,A庁検事と呼ばれます。
小規模庁からA庁に配属されるため,そのように呼ばれます。
A庁検事となると,もう一人前の検事で,検察庁の中核を担って仕事をしています。
A庁は,刑事部と公判部が分かれているため,刑事部で捜査を専門とする検事や,公判部で後半を専門とする検事に分かれます。
私は東京で公判部でしたが,手持ち事件は60~70件ほどあったという記憶です。昼間は毎日フルに公判に出廷し,アフターファイブにデスクワークをするというハードな毎日でした。

検事6~7年目は,A庁明け検事と呼ばれます。
また小規模庁に行きます。
検事の転勤サイクルは,基本が2年ごとで,A庁→小規模庁→A庁→小規模庁…という繰り返しになるのが一般的です。

A庁明け検事の次の呼ばれ方は特にありません。シニア検事と呼んだりもします。
検察庁だけでなく,法務省や外務省等に出向したり,東京地検特捜部に配属になったり,より大変な仕事を担当していくことになります。

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任意整理のメリット

債務整理には,3つの方法があります。
①任意整理,②自己破産,③個人再生,です。

このうち①の任意整理のメリットを説明します。
メリットは大きく分けて2つあります。
1 ひとつは,取引履歴を利息制限法に基づき再計算するので,元金が減ることです。
2 もうひとつは,減った元金に対する将来利息はとられないことです。

金融会社との取引履歴が2~3年あれば,再計算により,かなり元金が減ります。
取引履歴が5~7年以上あれば,利息の払いすぎにより,お金が戻ってくる場合もあります。これを過払金(かばらいきん)と言います。

減った元金に対して利息が取られないことは,非常に大きなメリットです。
例えば,100万円借りている場合,そのままだと利息だけで年29万円ほどになります。
通常,弁護士費用はそれよりも安いですから,利息の分,得をすることになります。

よくお客様から,債務整理をして,弁護士費用を支払って,自分は損をするのではないか?
との質問を受けます。

この質問に対する回答としては,前述のとおり,元金が減る+利息がとられなくなる,という2つのメリットのことを考えると,損をすることはないと答えています。それに,私の場合,もし損になるようならば,弁護士費用を減額し,お客様に損をさせるようなことはしません。これはお約束いたします。

逆に,デメリットはというと,ブラックリストに載ることです。
6~7年ほどは新たな借入やローンを組むことができないのがデメリットです。

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債務整理 弁護士介入通知の効力

弁護士は,債務整理(任意整理・自己破産・個人再生)を依頼されると,依頼日当日に,郵便で,債権者(会社)に対し,「弁護士介入通知」という通知書を送付します。

これは,債務整理の弁護士費用を分割にした場合も,分割なので着手金は全額はいただいていませんが,とりあえず,着手当日,郵便で,「弁護士介入通知」を出します。

弁護士介入通知とは,この債務者(依頼者)については,弁護士が介入して,債務整理をしますので,今後は,債務者への取り立て等はしないでくださいという内容の通知です。別名「受任通知」とも言います。

任意整理の場合,取引履歴の調査や利息制限法の引き直し計算のため,少なくとも3か月間はかかるので,弁護士介入通知後少なくとも3か月間は,債務者は,債権者(会社)に対し,支払を一時ストップできます。法律上,債権者(会社)は,弁護士介入通知があると,取り立て等ができなくなります。その間に,生活の立て直しができるわけです。

自己破産の場合,全て債務を精算するということですから,弁護士介入通知後は,一切債務を支払わなくてよくなります。その後,自己破産手続をとり,法的に債務を帳消しにします。弁護士介入通知後は,債権者(会社)も,弁護士介入通知が出されているので,取り立て等をすることはありません。やはり,生活の立て直しができるわけです。

個人再生の場合は,弁護士側の準備に少なくとも6か月くらいはかかるのですが,弁護士介入通知後少なくとも6か月間は,やはり,債務の支払は一時ストップします。支払わないでよいわけです。上記同様,債務者は,生活の立て直しができます。

結論的に,多重債務でお困りであれば,弁護士に依頼して,とにかく早く「弁護士介入通知」を出してもらうとよいのです。債務整理の方法により違いはありますが,とりあえず支払わなくてよい状態になり,毎月毎月返済に追われるという状態から脱することができるからです。
債務整理のお客様のほとんどが,そのことを知らず,法律相談の際に説明して,「もっと早く相談にくればよかった」と感想を漏らされます。

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反対尋問

証人や当事者(以下,「証人等」という。)の尋問は,交互尋問方式といって,主尋問→反対尋問→補充尋問という流れで行われます。

主尋問は,味方側の弁護士が一問一答で事実の経過等を証人等に質問していきます。
次に,反対尋問は,敵側の弁護士が主尋問を突き崩すべく証人等に質問していきます。
最後に,補充尋問は,裁判官が疑問に思ったところを証人等に質問します。

自分の側の証人等とは,事前に打ち合わせをして,主尋問で聞いていく質問をリハーサルしておくとともに,自分が相手方の弁護士だとして,反対尋問でどのような突き崩し方をしてくるかをもリハーサルしておきます。

尋問に先立ち,弁護士は,相手方の証人等がどんなタイプか,どんな証言をするかを想像し,これまで法廷に検出されている客観的証拠と,自己の経験則を手がかりに,どうやって反対尋問を成功させ,相手方の証人等の証言を突き崩すかを考えます。

反対尋問は,成功しないのが普通というのが,弁護士の認識です。
なぜなら,相手方の証人等も,当然リハーサルをして当方から突き崩されないようにあらかじめ準備しているからです。
でも,成功を目指して色々な試みをします。

まずは,自己矛盾供述はないか,思い込み供述はないか,客観的証拠と矛盾する供述はないか,経験則と矛盾する供述はないか,といった点を中心に反対尋問を構想しておきます。
あとは,現場で,相手側の主尋問を聞いていて,何かひっかかる(疑問に思う)点とか,おかしいことを言っていないかとか,臨機応変に対応して,反対尋問をします。

あとは,経験です。

仮に,自分側の証人等が,相手方の弁護士に突き崩されて反対尋問が成功した場合,その事件は負けるかもしれませんが,相手方の反対尋問のやり方から,私自身,多くのことを学ぶことがほとんどです。かなりの経験になります。普通は,リハーサルで想定していた以上のことを相手方弁護士がしてきますから,そんなやり方もあったか,と目から鱗が落ちることもしばしばです。もっとも,先ほども述べたとおり,反対尋問は成功しないのが普通なので,特に,相手方が成功した場合,かなりレアケースとなります。
また,自分の反対尋問で,色々やってみて駄目だった場合も経験になりますし,たまに成功することもありますので,これも自信になります。
現場対応で,その場ではできなくても,後から,ああすればどうだっただろうと思いつくこともあり,それは次の機会に試してみたりします。

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訴訟費用確定の申立て

判決の主文は,原告勝訴の場合,例えば
1 被告は,原告に対し,○○円を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
というように言い渡されます。

この場合,訴訟費用とは,印紙代や郵券代,当事者の日当等が含まれますが,具体的な金額が判決の主文では明示されず,実際のところ,「被告の負担とする」とされても,現実に被告に支払ってはもらわないのが,実務的です。

もし,勝訴したのだから,きっちり支払ってもらおうと思った場合は,訴訟費用の確定の申立てを行い,額を確定する必要があります(民訴法71条)。

この度,とある事件で,この申立てをすることになりました。
できることは分かっていても,これまで経験がありませんでした。
一度経験してみれば,論より証拠で,きっと今後役に立つはずと思います。

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最新!過払金返還請求実務

最近,興味深い判決が出ました。
札幌高等裁判所平成19年4月26日判決です。
事案は過払金返還等請求の事案です。

この判例は,次の2点において,注目に値します。
1 過払金返還請求が,弁護士を依頼して訴訟によらなければならなかった旨判断し,民法704条後段の損害として,弁護士費用相当損害金30万円を認めた。
2 過払いであるのに,そうでないように装って,借金の請求をした行為は,架空請求として不法行為である旨判断し,慰謝料15万円と,その訴訟の弁護士費用相当損害金5万円,合計20万円の損害賠償請求権を認めた。
という2点です。

すなわち,要するに,①過払金返還訴訟では弁護士費用相当損害金が請求できる場合がある,②過払いであるのに,そうでないように装い,借金の請求をされていた場合は,慰謝料と弁護士費用相当損害金が請求できる場合がある,旨の判決が出たのでした。

さて過払金返還訴訟では,今年2月に,過払金返還請求権の金利が年5分か6分か等について,最高裁判例が出て,同金利は年5分であるなどとされ,その後の過払金返還訴訟実務にかなりの影響が出ていました。
この最高裁判例は,原告(消費者)側に不利で,被告(消費者金融会社)側に有利な内容と言えました。

しかしながら,消費者側に立つ弁護士陣も,金利で勝てないならばというわけでもないでしょうが,慰謝料や弁護士費用を請求する傾向になっていたところ,今回,札幌高裁の判決で,それが認められたわけです。
高裁判決というのは,簡裁判決や地裁判決よりも実務では重視されます。

うちの事務所でも,今後は,過払金返還訴訟では,民704後段の損害としての弁護士費用と,不法行為の損害賠償請求としての慰謝料と弁護士費用を請求しようと思います。

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