法律まめ知識

神奈川県の大船という街にある大船法律事務所の弁護士高岡輝征が紹介する「法律まめ知識」。 ひまわりは弁護士の象徴で弁護士バッチのモチーフもひまわりです。

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不法行為の損害賠償請求権

一般的に,不法行為とか,慰謝料請求とか,損害賠償するぞとか,ありますよね。
今日は,これらの類の法理論を説明したいと思います。

これらは法的には,通常,「不法行為の損害賠償請求権」と言います。
根拠法令は,民法709条です。
法律の条文というのは,ある効果(法律効果)と,それを発生させるための要件(法律要件)から構成されています。
民法709条の場合,効果(法律効果)は,「損害賠償請求権の発生」です。
この効果(法律効果)を発生させるための要件(法律要件)は,民法709条の場合,次のとおりとなります。すなわち,
① 故意または過失
② 権利侵害(違法性)
③ 損害の発生
④ ①と④との間の相当因果関係
以上となります。

具体例で説明します。
交通事故の場合で説明します。

Aさんは,車を運転中,わき見をしていたため,前方を横断中の自転車に乗ったBさんにぶつかって,怪我を負わせた。Bさんは,怪我の治療費が合計5万円かかった。通院もして精神的に傷ついた。自転車の修理費は修理屋によると3万円かかるため,同じ自転車の新車が2万円なので,新しいのを買ったほうがいいと薦められた。

上記事例の場合,Aさんには,「わき見運転」という①過失が認められます。過失とは,簡単に言ってしまうと,不注意,です。

この過失により,Bさんは,怪我をしたので「生命身体の安全」「所有する自転車(財産権)」が害されました(②権利侵害(違法性))。権利侵害とは,言葉どおりある権利の侵害であり,違法性とは,簡単に言うと,常識的にみて悪いということ,を言います。

そして,Bさんには,「怪我の治療費5万円」と「精神的苦痛に対する慰謝料相当額」と「自転車の被害額」という③損害が発生しました。ここで精神的苦痛に対する損害賠償のことを一般に「慰謝料」と言います。算定はなかなか難しいのですが,この場合は仮に10万円としましょう。さらに,自転車の損害については,最大限修理費3万円で,最低限新車代2万円になります。

最後に,④①と③との相当因果関係については,「①がなければ③がない」という公式がなりたつか、を考えた上で,それが常識的に相当かを判断します。上記事例の場合,わき見運転という過失がなければ,治療費5万円はかからなかったですし,精神的苦痛もなかったですし,自転車も壊れませんでした。ですから上記公式がなりたちます。加えて,その公式をみとめることが常識的に相当かを判断すると,自転車の修理費3万円というのは相当ではないですが,新車代2万円なら相当であり(経済的実損と言います),5万円+10万円+2万円=17万円の損害については相当因果関係のある損害と言えます。

以上のように,要件(法律要件)が充足されましたので,効果(法律効果)が発生します。すなわち,「17万円の損害賠償請求権が発生」するのです。

これが不法行為の損害賠償請求権の法理論です。
できるかぎりシンプルに説明したつもりです。厳密にいうと粗があるとおもいますが,ご容赦ください。

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